ナレッジシェア#2「コンテストに向けて知見、経験をシェアしよう企画」体験記

By | 2015年10月27日

10月31日に締切となっている、Pepper App Challange 2015 Winter

みなさんの開発状況はいかがでしょうか。

今回はコンテストに向けてのナレッジシェアという事で先日の蔦屋家電での展示イベントでペパダリングをデモしてくださった竹内さんにデモ体験のフィードバックなどをお願いいたしました。

告知から実施までの期間が短かったこともあり、来場の方が少なかったので、車座になって互いに話し合う形となりましたが、そのおかげかとても深い情報交換の機会となりました。

情報交換の場であったため話の内容はPepper App Challenge に関する事だけでなく、多岐にわたりました。たとえば

「見積もり時の仕様資料は紙ベースの説明資料では、なかなか伝わらない部分があるので動画での説明を必ず付けている。」

というようなビジネスサイドのお話しから、

「Pepper開発にかかわるのサービスのアイデアコンテストをつくって欲しい」

という開発者目線の要望まで、本当に様々でした。

さて、本稿のメインである、ペパダリングは以下のようなアプリでした。

ペパダリングとは、ボルダリングを模したゲームで、Pepperの各種センサーを、ユーザーの手足でタッチしていく、というアプリです。往年のツイスターゲームのようなものだと考えていただければ想像しやすいかと思います。

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アトリエ秋葉原のブログでは

子供にも大人にも大いにウケていました。

特に子供には大人気で、成功するまで何度も何度も挑戦するお子さんもいたほど。そんなお子さんがステージクリアした時の笑顔はとても印象的でした。」

Pepper デモアプリ体験会 @ 二子玉川 蔦屋家電を開催しましたより

という感想を持ったようでしたが、実際はどうだったのでしょうか。

 

竹内さんのお話を聞いてみたところ、やはりデモを行う側での感触もよく、体感型ゲームならではの達成感は、いわゆる「テレビゲーム」とは違う次元のものがあり、特に子供は夢中になっていたとのことです。

ただ、幾つかの点では、難しさを感じられたそうです。

1.導入について

アプリの使い方の説明をPepperがする形での導入では、体験される方はあまりPepperの言う事を聞いてくれなかったそうで、横にいる解説員が説明をするか、前にやっている人が操作しているのを見て、ようやく使い方を理解してくれる、というレベル。

当然、実際の使用シーンでは説明員をつけることはできないので、胸のタブレットで動画を見せるなどの工夫が必要だと思ったとのことでした。

たしかに、ユーザーを「聞く姿勢」にするためには、「タブレットで一方的に動画を流す」、といったインタラクション性の少ない説明方法もあえて使わなくてはいけないタイミングがあるのかもしれませんね。

2.センサーの誤作動対策

タッチセンサーやタブレットからの入力をそのまま使っていると、誤作動や、過敏な反応により思った以上に難易度が上がってしまう事があるそうです。

チューニングの際には適度に入力にフィルターをかけるなどする必要がありそうですね。

3.頭部接触センサーの使い方のむずかしさ

Pepperの身長、120cmは大人からするとちょうどよいのですが、子供のユーザーの場合、若干高く感じるため、加減が分からず特に強くたたいてしまう傾向があったようです。Pepperの首への負荷が不安ですね。

 

また、これらの意見から、会場の参加者からも子供ユーザーへの対策や不安が幾つか出されました

 

4.指パーツの保護

Pepper指を強くつかんで捩じってしまうお子さんがおられたらしく、実際蔦屋から帰ってきたPepperのなかには中指を負傷しているものもありました。

ただ、対応策も無いわけではないようです。

ロボットビューを見てみると、指をさわられた場合も、ロータリーエンコーダー(関節がどのような角度になっているかを検知するセンサー)へのフィードバック値はあるようなので、強く触られて大きな変位が見られたときなどには「ヤメテ!」などと大きな声を出すなどの対策をしてみれば、指の損傷は防げることなのかもしれません。

 

5.子供の誘導

子供のユーザーはPepperに対して興味津々、と思いきや、意外と慣れるまでには時間がかかるようです。

年齢によって変わってくるのかとは思うのですが、ユーザーテストをした際によくあるパターンとしては、大人のユーザーがPepperを実際に体験してみせ、「怖くない」という事を見せないとなかなか近寄ってこない、遠巻きに観察しているというお子さんもが多かったとのこと。

その際の対応策としては、ロボット特有のボディラインや質感を隠すために服を着せるなどが有効だったようですので、もしかすると「ロボット」という存在自体をあまり認知していないような年齢のお子さんだったのかもしれません。

しかし、そういった年齢の子供向けアプリを作る際の導入には特別の配慮が必要そうですね。

 

6.子供の声に対しての反応について

Pepperのマイクは頭頂部にあるため、自分よりも背の低い子供の声に対してはあまり感度が高くないようです。そのため、ユーザーの身長によってはPepperの姿勢を変更するなどの対応が必要かもしれません。

アトリエスタッフがサンプルでユーザーの身長によって、姿勢を変更するアプリを作ってみましたので、参考にしてみてください。
今後、コンテスト以後もアトリエ来場者の皆様同志で有益な情報を交換できる機会を設けられたらと思っておりますので、ぜひご興味のある方はアトリエ秋葉原FBグループまでご意見を頂ければと思います。

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