3月16日アトリエ秋葉原では、ディスプレイの活用法に関する勉強会を開催しました。
その様子をご紹介します。
(なお、講演者資料中では参加者にわかりやすいよう、なじみがある通称:「タブレット」と書いてある箇所が多いですが、ブログ本文中では正式名称である「ディスプレイ」に統一させていただいております。ご了承ください。)
開催概要
日時:2016年3月16日(水)19:00-22:00
会場:アーツ千代田3331 1Fコミュニティスペース
東京都千代田区外神田6丁目11-14
主催:アルデバラン・アトリエ秋葉原 with SoftBank
イベントの様子
エンジニア、ビジネスプランナー、学生など多様な方が集まり、先進的な事例を持つ方々のお話しをお聞きしました。
また、この様子は、「Pepperアトリエサテライト甲府」など開業しているPepperアトリエサテライトにも中継され盛り上がっていたようです。
講演内容
トップバッターはサーバー上のゆるきゃらとPepperが掛け合うフューブライトコミュニケーションズ 近藤様の「観光・PR業向けPepperソリューションゆるキャラ連動システム」。
別画面に表示されたゆるキャラはアニメーションやカメラアングルの変更など3Dアニメーションならではの表現を駆使してPepperとの掛け合いをします。このやりとりを見ていれば、一方的な説明だけでは得られない観光案内ができそうですね。展示会やアプリの使い方を教えるチュートリアルなどにも向いてそうです。
T2Vという技術を使用し、簡単にコンテンツを制作することができるそうですが、詳しいことは頁最後にスライドシェアのリンクがありますので、そちらをご覧ください。
二番手はそれでもプロトコーポレーション 富田さんによる「それでもタブレットと付き合っていく方法」。
今回は一介の開発者として、Pepperのオリジナルアプリ開発やユーザー観察を通して感じたことを、お話ししてくださいました。
印象的だったのはディスプレイに頼りすぎるアプリではユーザーのPepperの顔を見なくなってしまうため「ユーザーの感情」を読み取る機能が阻害されてしまう、という点。
発表で紹介されていた「Pepperになりきって開発する」という手法を使って、是非開発中のアプリでディスプレイが過剰に使われていないかチェックしてみてください。
三番手はパルスボッツ 美馬さんによるLT「Pepperにタブレットがあってよかった!」。
こちらは、「富田さんのお話がいい前フリになってくれた。」とおっしゃっていましたが、パルスボッツの新サービス、Bizbotsのなかでどのようにディスプレイが活用されたかをお話しいただきました。
ディスプレイがあることでスムーズな案内フローが設計できる、日英中韓4か国語を対応するBizbotsだからこそ文字で表示することの強さがあるなど、「なるほど」と思わせられる内容でした。
時間の中で流れていってしまう音声情報を固着させることができることの強みはバラエティー番組のワイプなどで皆さんご納得されているお話しだと思います。
ただ、美馬さんはWebやスマートフォンアプリのUI、UXデザイナーをされていただけあって、便利すぎるPepperのディスプレイに振り回されることなく、ロボアプリならではのUXをデザインしてご自分のアプリに落とし込んでおられたようです。
また、「動画」と書いてある部分をクリックすると見られるYoutubeの中では「パーティクルをスムーズに動かすコツ」などのテクニックについても解説されているのでぜひ動画の方もご覧になっていただければと思います。
本日の目玉の一つ、経済産業省、牛嶋さんの発表は、残念ですが、Web公開NGという事です。
ご来場いただいた方、ラッキーでしたね。
今後もこういった会場だけで聞けるお話し、というのはあるかと思いますので、ぜひアトリエ秋葉原、ないしは生中継されているアトリエサテライトの方にぜひお越しいただければと思います。
なお、牛嶋さんとしては今後も積極的にイベントで来場、講演していきたいとおっしゃっておられました。皆様ぜひ今後の牛嶋さんの動向をチェックしてみてください。
トリはPepperのアプリ開発に最も長くかかわっている企業の一つ、ヘッドウォータース 塩澤さん、野口さんによる「Pepperディスプレイのちょっとしたコツ」。
結論から言うと、ぜんぜん「ちょっとした」ではありませんでした。トリに相応しい内容、ボリューム。
アプリ開発時の企画、提案の心得、Pepperのアプリの特徴、業務フローに、アプリの構成、使いやすいフレームワークの紹介まで。
Pepperのアプリを作っていく中でどうしても拭い去ることができなかった違和感が、もしかしたらこれをみて解決されるかもしれません。
最後はそれぞれの講演で説明されたアプリを皆さんに実際にデモで触れていただきました。
説明していただいた点に気を付けながら見ると、Pepperアプリのなかでのディスプレイの立ち位置が良くわかったのではないでしょうか。
まとめ
今回のイベントをまとめると、登壇されたどの方もディスプレイの有効性を認めつつも、それに振り回されず、「Pepperならではのユーザー体験が出来るアプリ作り」に気を払っていたように思います。
まだロボアプリの開発や企画のメソッドは発展途上ですが、様々なシーンやユーザーにあわせ
「『ロボットでしかできない体験』のなかでディスプレイにどのような役割を負わせるか」
というイメージが今回の勉強を通して皆さんのなかに残ったようであれば、幸いです。
なお今後もこのような事例紹介やセミナーなどのイベントをどんどん企画していきたいと思っておりますので、イベントの要望や、登壇の希望など、ぜひアトリエ秋葉原FBグループにご投稿いただければと思います。
発表資料
■観光・PR業向けPepperソリューションゆるキャラ連動システム
フューブライトコミュニケーションズ株式会社 近藤 幸一様
■それでもタブレットと付き合っていく方法 公開版
プロトコーポレーション 富田 篤様
■Pepperにタブレットがあってよかった!
-Pepperアプリ簡単生成サービス「Bizbots」-
PALSBOTS INC. 美馬 直輝様
■Pepperディスプレイちょっとしたコツ
発表資料 link1 link2
株式会社ヘッドウォータース 塩澤 正則様 野口 修様