2018年9月18日、Pepperアトリエ秋葉原 with Softbankで非常に珍しいイベントが開催されたので写真で共有します。
イベントタイトルは『魔術的ロボットユースケースデザイン 入門編セミナー~貴社のPepperを「ここでしか出会えないPepper」に演出して大復活! 魔術的演出法の解説~』です。
Pepperとのマジックで有名なマッキー小澤さんが講師として「ここでしか出会えないPepper」を演出するための様々なテクニックをお話しいただきました。
今回のイベントの背景は2014年からPepperのアプリを作り続けてきたマッキー小澤さんが、以下の本と出会ったことにあります。
Pepper最新事例に学ぶロボアプリ開発 ~豊かなUser Experienceを生むロボットユースケースデザインとフィールドテストによる現場改革編~
ソフトバンクロボティクスの内田伸穂氏が執筆したこの本にはPepper利活用のヒントが多くあり、意気投合して、講師をマッキー小澤氏、企画構成を内田伸穂氏という分担で今回のセミナーを行うことになったそうです。
なぜマジックか
なぜ、マジックについて学ぶ価値があるかというと、人間を錯覚させ驚かせる仕組みがあること。多くの人が再現もできていて実践している分野であること。多くの人が体験済みであることがあげられ認知科学の分野でも分析対象になっているからです。
魔術的演出事例1 スポンジボール
ここからはマッキー小澤さんによる講義開始です。
魔術的演出事例の1つ目は2015年のPepper App Challengeでベストクリエイティビティ賞を受賞したマジックです。
マジックにおいて最初にオッと驚く演出で人をひきつけることがポイントです。
最初のつかみで驚かせることで、「この人の話は聞くべきだ」とお客さんに思わせること。
このマジックはボールをタブレットから空中に取り出して、またタブレットに戻すことを2回行うのがミソ。
2回行うことで人はその動きの先を予想できるようになる。そして予想を覆すことで驚きを与えることできます。
もう一つのポイントは最後にネタバラシを作ってオチにしていることです。
魔術的演出事例2 フライングライト
仕組みとしては指にLEDの仕掛けを仕込んでいる。このころからIoTを作品の中に組み込むこともチャレンジしていきます。
タブレットの裏にLEDによる間接照明をつけて、Pepper本体の影や稲妻発光及び赤外線リモコン制御による外部照明などの演出を加えています。
ギミックを利用はしているが基本的には錯覚を利用した作品です。
魔術的演出事例3 ロボライブ
ロボライブはロボライブを開発している開発者さんたちがいて、最初に扇子を持っていない状態でダンスがすでにクオリティが高かった。
そこに扇子というギミックを加えたことで大きなバズを発生させることができた。twitterの動画は30万アクセスを超えました。
Pepperは扇子一つを開くだけでも、「こんなことができるのか」と驚きがあります。
重要なのはPepperが自力でやることだと考えている。
最初は別のサーボモーターを利用して扇子の開閉を行おうとしたが、Pepper自身の力でないか工夫した結果、ロボライブのダンスとマッチしていい演出となった。
魔術的演出の解説 「個性 × テクニック × ネタ」
ここからは演出の解説になります。
マジシャンの世界でも、テレビにでて知名度も高く活躍している人とそうでない人がいる。その差はどこにあるのでしょうか。
テクニックも皆さん持っているが、著名な人は共通して個性が強いです。
ロボットに置いても個性が重要。
例えば最初の部分であえて自信のなさそうなロボットにするのもアリ。ロボットの性格、キャラクターの作り込みは必要。
例えばマジックのテクニックで光を利用した錯覚があります。
光の移動を目線が追い続けると、あたかも一つの光を右手から左手に持ち替えた様に見えます。
実際には右手のライトを消灯して左手を点灯するが、
光の移動を目線が追い続けると、あたかも一つの光を右手から左手に持ち替えた様に見える効果があります。
魔術的演出テクニックは、Pepperならではのテクニックなどノウハウ満載でした。
この記事をご覧の皆さんにもぜひ、今後開催されるときに直接聞いていただきたいです。
最終的に魔術的演出が目指していることは「観客の意識を操作する」ことです。
イベントの最後にはマッキーさんに直接質問をしながら、どんなキャラクターにするか、どんな演出方法があるか皆さんで考えました。
魔術的な演出方法と、4年間のPepper開発実績でアドバイスが止まりません。
この日集まった人はパートナー企業、塾経営者など様々な人が集まってくれました。
参加した皆さん、「こんな話は聞いたことがない!」
「色々と参考になる事例ばかりでいい話が聞けた」
などとても満足度の高いイベントになったようです。