Pepper App Challenge 2015 Winter に向けたハッカソンの第2回を9月12日(土)に開催しました。
Pepper App Challenge 2015 Winter ハッカソン #2
-介護・福祉-
第2回目となる今回は「福祉・介護」をテーマに3つのチームがPepperのロボアプリを開発しました。

実際にご両親の介護をされていた方、高齢者介護施設にPepperを持ち込みデモを行ってみたことのある方など、強いニーズや経験を持つ方が集まったことが特徴的でした。
それでは、今回のハッカソンで生まれた3つのアプリをご紹介しましょう。
ハッカソンで生まれたアプリ
介護施設でのエンターテイメントチームチーム
最初にプレゼンを行ったのは、介護施設を活気づけようとエンターテイメントアプリを開発したチームでした。
開発したアプリは「ぺらめっこ」。
Pepperにむかって「にらめっこ」を行うゲームでしたが、Pepperならではの要素が詰まった素敵なアプリでした。


ポイントは表情認識とタブレットの活用です。
Pepperは表情を変えることはできませんが、タブレットに他のユーザーが「ぺらめっこ」で遊んだ時の変顔を撮影して蓄積。その変顔を表示することでにらめっこを成立させています。
つまり、遊ぶ人が増えれば増えるほど、変顔が蓄積されていく成長型にらめっこなのです。
勝敗はPepperの表情認識機能を使っています。「ぺらめっこ」開始後、一定時間内にユーザーの笑顔を検出できたらPepperの勝ち。検出できなかったらPepperの負けというロジックです。
将来構想としては介護施設ごとに変顔データを蓄積し、施設対抗ぺらめっこ大会などができるようにしたいとのこと。
Pepperの機能をうまく駆使した、継続性のある興味深いアプリでした。
ユマニチュード Pepper チーム
発表2番手は認知症介護をサポートするアプリを開発しました。
発案者は実際に認知症の親の介護経験のある方でした。この方が認知症介護のメソッドである「ユマニチュード」をPepperで実現することを提案。チームメンバーのデベロッパーがそのアイデアを実現すべく短時間でデモアプリを開発しました。


デモ内容はPepperが介護者に話しかける、という見た目はとてもシンプルなモノでしたが、実はメソッドと技術とアイデアがしっかり盛り込まれたものでした。
話しかけるPepperはユマニチュードのメソッドに基づき、少し遠くから「僕はPepper。あなたを介護します。」と自分が何者であるかを伝え警戒心をなくしたうえで近づきます。
近づいてからは、これまたメソッドに基づいた会話を行うのですが、実は会話や動作は自動化されてはおらず、近くにいるオペレータがスマートフォンで次の動作を指定して動作させています。
これは介護の現場でPepperが正しく言葉を認識できないことを想定し、確実に動かすための工夫だそうです。また、スマートフォンからPepperを制御するため技術は IoTの通信によく使われるプロトコル MQTTを用いています。
シンプルではあるものの、短時間で現場運用を考えたデモアプリを作り上げてきたことは驚きでした。
家庭で使えるPepper チーム
最後にデモされたアプリは「おそうじPepper」です。
これは、Pepperにモップを装着して本当にお掃除させるというもの。
一見、介護や福祉には関係ないように見えますが、家事を少しでも楽にさせることで介護にかけられる時間を増やすという意味では、ハッカソンのテーマには沿ったものでもありました。


デモは見てのとおり、針金で作ったモップアダプターをPepperに装着し、お掃除をさせていました。
Pepperの足元の障害物センサーに検知されないよう、モップは後に設置。
あとは某お掃除ロボットと同じように室内を動き回り、目の前に障害物を検知すると角度を変えて移動しつづけるというものでした。
このアプリ、一見ネタのように見えましたが、モップを見ると実際に部屋のホコリが取れていたのが驚きです。
もちろん、Pepperにアダプターをつけてモノを牽かせることは一般的な使い方ではないので推奨はできないのですが、1つのアイデアとしては興味深いものでした。
優勝アプリ
作品発表の後は黒板にマグネットを貼る形で、もっとも素敵なアプリを選ぶ投票を行い、優勝は「ぺっぱそん」チームとなりました。
Pepperらしさを十分活用したうえで、継続性を高めるアイデアが盛り込まれた点がとても素晴らしいアプリなので、優勝も納得です。

投票を終え、初めて知り合った参加者がチームを組みアイデアを形にするハッカソンは発表を終え、無事終了しました。
今回のハッカソンで知り合った参加者がチームを組み、コンテストに応募するアプリの開発を続けてくれることを期待します!
まだまだコンテスト向けイベントは続きます!
コンテストに向けたイベントはまだまだ続きます。
アイデアを既に持っている方も一緒に開発する仲間を探す良い機会です。
ぜひご参加ください。
イベント情報は Pepper App Challenge 2015 Winter 特集ページで随時更新しています。